2011年7月19日
イノベーションとその機会
今、世界経済は各国で金融緩和や景気刺激策が取られ、中国や東南アジアなどを中心に一部上昇傾向は見られるものの、依然全体的には様々なマイナス要因が流れています。
リーマンショック後の不況から完全に脱せず、ドル安が続き、ユーロ安が進む中でEU圏においてはギリシャの財政危機が発生するような状況です。更に日本においては好転しない経済情勢に加え、未曾有の東北地方太平洋沖大地震が発生し、復興対策の遅れだけが目立ち、方向性が見えず先行き不透明な印象しか国民は持ち得ていない・・・まるで船頭のいない船に乗っている感覚さえあります。
このような状況の時、人は守りに入りがちで、もともと100%あったものであれば100%以上を求めようとせず、もっと言うならば100%のうち外的環境が相対的に50%しか達成出来ていない場合、己は80%達成していれば満足、50%でも自分は大丈夫といった思考をしがちになります。
『コップに半分入っているのと半分空であるのとでは、量的に同じである。だが、意味は異なる。とるべき行動も異なる。世の中の認識が、”半分入っている”から”半分空である”に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる』とP.F.ドラッカーも言っていますが、更に言いますと110%、120%と、欲求を常に持たなければ現状維持に留まってしまい、先にふれた様な経済の危機的状況が再来した時にやはり衰退してしまうと思うのです。
弊社に置き換えると、昨年茨城工場において設備のリプレース(イノベーション)を行いましたが、ただハードの革新に留まっていないか、ソフトの革新、つまり人の100%、120%を求める欲求は充分であったかは検証する必要があると考えています。
現在のような様々な危機的状況の時こそ革新出来る絶好のチャンスだと思います。問題があるからこそ人は創造力を働かせて問題解決をしようと動きますし、新しいものを生み出すスピードが上がるのではないでしょうか。そういう意味では不況というその状況こそがチャンスであり、弊社のイノベーションするスピードアップに繋がるというように捉えてます。
取締役営業統括部長
政清 秀樹